泰平です、
陽虎学園の制服って電車似合わないなあ。
高三の冬って卒業まで高校生活楽しみたいのに登校日ばっかり少なくなっちゃってあんまりみんなと顔合わせられなくなっちゃってちょっとさみしかった記憶があります。陽もすぐ暮れちゃいますし。冬にむけて電車の暖房あたたかいです。眠る人の体温あたたかいです。孫策と周瑜が太史慈はさんで三人並んで座ったらもう、すぐ眠くなっちゃいます。太史慈お父さんみたいだ。疲れているので寝ちゃいます。電車が終点近づくにつれてだんだん人が少なくなっていきます。本日は××線をご利用いただきまことにありがとうございます。次は、終点、××駅、××駅。お忘れ物ございませんようお気をつけてご降車ください。まもなく到着いたします。終点、××駅、××駅。電車の中があたたかいのでこのままずっと眠っていたいですね。電車通学か否かはおいといて、太史慈と孫策と周瑜。
孫権と周泰は徒歩と自転車通学がいいなあとおもいます。孫権が歩いているところをいつもうしろから周泰が追いついて、自転車降りて一緒に歩きます。朝は歩きますけど帰りは周泰が漕ぐ自転車のうしろに孫権乗っかってきーこきーこ帰ります。自転車ふらふらしながら帰ります。なあ周泰、しっかり漕げよ、あぶないぞ、って孫権言います。周泰うなずきますけどやっぱりふらふらしながらえっちらおっちら漕ぎます。周泰の自転車はもう新しくないので、タイヤはからから鳴きますしブレーキもキィキィ鳴きます。道の段差を越えるとがっちゃんと大きな音がします。なあ周泰、だいじょうぶか、この自転車。あと少しの間だけ耐えてもらうつもりです、だいじょうぶです。そうか。はい。...。...。なあ周泰、おまえは××大に行くんだっけ。はい。そうか。はい。...。...。...××大かあ...。...はい。...。...。
孫権、周泰が××大に行くこともうずっと前から知っているのに、なんでか何度も聞いちゃいます。××大に行くんだっけ。最早その言葉に問いかけの意味も確認の意味もないんです。孫権ひとりの呟きになってるんです。××大に行くんだっけ。その言葉に問いかけの意味も確認の意味もないんです、けど、なんか、なんか出てきそうな言葉が後に詰まってんです。××大に行くんだっけ。××大に行くんだっけ。...、もう卒業かあ。なあ周泰、おまえもう、卒業しちゃうのかあ。周泰は孫権のひとつ上の学年なので、冬を越したらもう卒業です。周泰だけじゃない、孫策も周瑜も太史慈も卒業です。次の季節にはもういないです。いないです。ふしぎな気分です。もう周泰のおんぼろ自転車乗れません。周泰のうしろにくっついて、自転車で段差越えた時に、尻が痛くなることもないです。周泰に、しっかり漕げよって言うこともないです。その時には、たぶん孫権ひとりで歩いてます。ひとりで黙って歩いてます。そうなることがさみしいと思うのも慣れればなんの気にもならなくなるんでしょうが、慣れるてしまうのもなんだかちょっとさみしいとおもいます、孫権です。おセンチなんです。なんのはなしだ。
冬はほんとに生き物弱るんですよ、こころしっかりもたないとたいへんです。
いやほんとに、なんのはなしだってかんじでした。